「神社に行くとホッとします」「最近、神社に惹かれます」という声をよくいただきます。
そのとき、私がぜひ注目していただきたいのが「神社の鈴緒(すずお)」です。
鈴緒とは、参拝時に鳴らす鈴につながっている、あの太くて立派な“紐”のこと。
参拝時に自然と手をかけるこの鈴緒ですが、実は「色」や「素材」には、深い意味が込められているのです。
今回は、そんな鈴緒の“色”から読み取れる、神様のメッセージについてお話しします。
🔴 赤い鈴緒:魔除けとエネルギーの象徴
最もよく見かける色のひとつが「赤」。
これは魔除け・生命力・火の力を象徴し、特に稲荷神社や天照大御神を祀る神社で多く見られます。
赤は古代祭祀で使われた辰砂(しんしゃ)という赤い鉱物に由来し、「赫々(かくかく)とした神威」=神の力のあらわれとされてきました。稲荷神社の赤い鳥居と同じく、神域を守る結界の意味もあるんです。
代表例は、京都の伏見稲荷大社や、栃木の日光東照宮。
エネルギーを高めたい、活力を取り戻したいときには、赤い鈴緒の神社を訪れてみてください。
⚪ 白い鈴緒:清らかさと浄化の象徴
一方、白い鈴緒は「浄化」「神聖さ」「心のリセット」の象徴です。
神道において白は最も神聖な色とされ、神職の装束や、神宮の幡にも用いられます。
特に「禊(みそぎ)」や水にまつわる神様との縁が深く、伊勢神宮や**貴船神社(水の神)**などでよく見られます。
悩みを手放したいとき、心を整えたいときには、白の鈴緒が導いてくれる神社へ。
🟣 紫の鈴緒:直感と神秘の象徴
紫は、直感や霊性、高貴さの象徴です。
陰陽道にゆかりのある神社や、スピリチュアルな感性を重視する場所で使われることが多く、たとえば京都の晴明神社では紫の鈴緒を見ることができます。
迷いや不安を超えて、内なる声に耳を傾けたいとき、紫の鈴緒に手を添えてみてください。
🔵 青や🌈五色の鈴緒:天と地をつなぐバランス
珍しい例として、空色の鈴緒を採用しているのが埼玉の三峯神社。
天空とつながるような清らかさ、深呼吸するような癒しのエネルギーを感じる方も多いです。
また、五色(青・赤・黄・白・黒)の鈴緒は陰陽五行説にもとづき、バランスと調和を象徴しています。明治神宮などで見かけることができます。
🧵 鈴緒の素材と「結び」の力
鈴緒は、古くは「麻」や「絹」で作られていました。特に「麻」は、穢れを祓う神聖な植物として、神道と非常に縁深いもの。
また、結び方にも意味があります。
神道には「かなめ結び」など、固くしっかり結ばれることで「願いを封じ込め、叶える」力があるとされる結びがあります。
中には、「鈴緒が切れると願いが届いたサイン」とされる神社もあり、願掛けに深く関わっているのです。
💫 神社ごとに違う“鈴緒の色”の理由
では、なぜ神社ごとに鈴緒の色が違うのでしょうか?
それは、主に以下の要素が関係しています。
- 祭神の性質:太陽神なら赤、水神なら白、霊的な神なら紫など
- 地域の習俗:たとえば出雲地方では白い鈴緒が多く、関西の稲荷神社では赤が主流です
- 歴史的背景:藩主の好みや、仏教との融合(神仏習合)などが装飾に影響していることもあります
🌟 鈴緒の色=神様からのサイン?
参拝のとき、ぜひ鈴緒の“色”に注目してみてください。
それは、神様からの「今のあなたに必要なエネルギーですよ」という静かなメッセージかもしれません。
お守りや絵馬の紐の色とリンクしている場合もあるので、気づくと神社の「性格」が見えてくることも。
🔔 珍しい鈴緒の事例
- 八坂神社(京都):祇園祭の時期だけ、「朱と金」の特別な鈴緒に変わります。
- 大神神社(奈良):鈴緒が自然の檜皮(ひわだ)色で、古代祭祀の雰囲気を再現しています。
こんな風に、鈴緒の色や素材は、その神社が大切にしている“神の心”を映す鏡でもあります。
🕊おわりに:次の参拝がもっと楽しくなるヒント
神社参拝は「願いを届ける」行為であると同時に、「神様からのメッセージを受け取る」時間でもあります。
次に神社を訪れるときは、ぜひ鈴緒の色にも目を向けてみてください。
それが、今のあなたの魂に必要な色であり、方向性を指し示すサインかもしれません。
心を整えたいとき、願いを込めたいとき、鈴緒の先にいる神様が、そっと手を差し伸べてくれているかもしれません。